金属の対素材優位性は、塑性(そせい)特性

紙や新聞紙で兜(かぶと)を折り曲げたことはありますか?

新聞紙も紙も、1日経ったり、風に当たったり、水にぬれたりしたら、その形をそのままとどめることはできません。

でも金属、板金は、そうじゃないんです。金属は、おそらく上記のちょっとしたことぐらいでは兜の形は変わりません。

つまり、形が変わらない=その形を保持し続ける=専門用語で言うと、「そせい」と言うんですね。

塑性特性(不可逆:一回変わると元に戻らない特性)

この塑性特性を利用したのが、板金なんです。板金は、切って、まげて、取り付けるのですが『曲げて』の部分が、塑性ですね。曲げても、もとに戻らずその形。角度をキープし続けることで、その場にあった形に加工して、取り付けることができるということなんです。

まずは、板金は自由自在ということを知ってもらいたい。板金は、1枚の薄い金属の板ですが、平面(2D)ですが、曲げてできるものは、物体(3D)です。例えばサイコロの展開図を想像してみてください。あの十字の6個の正方形ですね。これをくみ上げると、サイコロ(物体:3D)になります。また壺のような円や曲線でできている物体も細かく分解して平面に落としこんで(展開して)から組み合立てると、金属の壺ができます。

板金は自由自在=板金で加工できないものはない。

板金の技術を使えば、曲線の雨樋も作ることができます。

板金は、自由自在。だからこそ我々職人が、金属の特性を生かしながら建築に生かすことができる。つまり自由自在に扱えるのが板金職人であるわけです。