会長あいさつ
代表取締役会長 吉岡八義

当社は古くは私の祖父の時代からいわゆる”トタン屋”を初めまして、その後、私の父が大きくしていきました。私は当時大学を出て大阪の板金工事店で修業を積み、帰ってから板金屋になりました。 父は、当時から先見の明でしょうか、大町から赤田に引っ越してきて大きな工場をかまえることができました。北陸自動車道が整備されて富山ICができる前でしたので、会社から41号線までまっすぐ見えたのを覚えております。

工場建設と同時に当時では北陸最大級といわれるほどの板金機械を導入して、住込みの職人も十数人おり、ほんとうにたくさんの仕事をこなしてきました。また、同業の板金屋さんも周りにたくさんいらっしゃり、県下では最盛期では650社ほどあったと思います。受注先であるも元請さんもたくさんありました。うちで力をつけた職人はひとり又一人と独立し、たくさん巣立ってそれぞれの地域でがんばっているようです。

さて建設業不人気からだんだんと入職者も減っていき自社の職人も高齢化が目立つ様になりました。相変わらず仕事はあるのですが、以前の現場の工期に追われ夜遅くまで加工しての朝早くから出ていく日々が少なくなりました。しかしながら板金仕事は住宅にしろ大型物件にしろ無くなる事はありません。新築が建てばいづれメンテナンスの時期を迎えます。その時にまた板金が必要になってくるので、今後も何かしら引き合いは続くでしょう。

最近は高度で複雑な施工を短納期でまた安い価格で求められます。経験ある腕の良い職人達が求められますが、『職人技』の業界なので若い職人には一長一短で熟練の経験と技術は身につきません。CADによる施工図や現場での高いコミュニケーションスキルも求められる時代であり、昔のように「仕事は目で見て盗め」や「寡黙な職人」では若い方から煙たがられ職人は育たず会社から離職していきます。これでは会社として地域の皆様方に貢献していくことがままなりません。仕事を頂くにはまずはそこに集まる人が楽しんで板金をやっていてくれることが大事だと思います。新3kで言うように給料がよく、休日があり、(未来への)希望がある仕事でありたいと常に思って営業しています。

ところで我々の技術は目には見えないのでお金になりにくいと言われることがあります。ただ板金を屋根や壁に貼ればよいわけではなく、そこには人知れずの雨仕舞があります。ちょっと端部を曲げて持ち上げておくとか、切り口の向きを変えておくだけで水の流れが変わり、汚れや漏水が防げますし、気にならなければ、ずっとメンテナンスフリーで過ごしていける素材なので、建物が長持ちします。安い業者は、「経験不足」か「やりっぱ仕事」でどこか抜けています。そうは言っても食べていくだけはなんとか稼いで、ご指名頂く元請さんや、ごひいきにしてくださる近所の方々、分離発注の公官庁物件など、今の時代に即して「変化していく」事が、長く会社が発展していく礎だと確信しております。その結果が今の『吉岡板金の力』となっております。

これからの時代もこれまで同様、確実な仕事と営業が大切です。次世代の若い職人も育てなければなりません。 今は専務におおかた任せていますが周りが変化していくからこそ、取り残されないようにこちらも変化していき、これまでと同等以上に、「安心・安全」の建築板金をお届けしなければなりません。弊社の職人は変わりませんが目の前の仕事をひとつ一つ丁寧にやっております。新たな技術も修得しつつこれからの業界を生き抜いていってほしと思います。

どうかこれから出会うみなさん、”板金はいいもので、長持ちするもの、家を守るには最適”ですので、 その時はぜひ当社”吉岡板金工業所”をご指名いただきますようよろしくお願いします。

代表取締役会長 吉岡 八義